「約束はいつだって根拠はないよ。それから全て不確実だ。」
彼はこくん、とうなずいた。
「そりゃ、そうさ。だから苦手なんだ。」
彼の言うことには確かに一理ある。明日世界がどうなるのかも、生きているのかも誰にも分からないのだ。けれどきっと生きているのだと思う。理由は単純だ。明日も僕は彼と話すと決めている。
そんなものでいいのだ。明日生きる理由なんてこういうくだらないもので充分だ。
びゅうっと、強く風が吹き始めた。山の向こうに日が隠れ始めているし、空は群青色に染まり始めている。
僕は、寒さに身を縮こませる。
「じゃあ。神木。」
彼は、フェンスに背を向けたまま薄く笑う。
「うん。じゃあ。佐川(さがわ)。」
彼はこくん、とうなずいた。
「そりゃ、そうさ。だから苦手なんだ。」
彼の言うことには確かに一理ある。明日世界がどうなるのかも、生きているのかも誰にも分からないのだ。けれどきっと生きているのだと思う。理由は単純だ。明日も僕は彼と話すと決めている。
そんなものでいいのだ。明日生きる理由なんてこういうくだらないもので充分だ。
びゅうっと、強く風が吹き始めた。山の向こうに日が隠れ始めているし、空は群青色に染まり始めている。
僕は、寒さに身を縮こませる。
「じゃあ。神木。」
彼は、フェンスに背を向けたまま薄く笑う。
「うん。じゃあ。佐川(さがわ)。」



