2学期初日の朝
「はぁ〜、やっぱりいつ見てもくるみちゃんかわいい〜」
「あおい、早くご飯を食べなさい。それに
毎日同じこと言ってるわよ」
「だって、くるみちゃん本当に可愛いんだもんっ」
「もう聞き飽きた。毎日それ、言ってるじゃん。それより、一緒にゲームしよーよ」
「無理に決まってるでしょ。今から学校行くんだから」
「お姉ちゃんのケチ」
「ほら!2人とも早くご飯を食べなさい」
「はぁーい」
「はい」
私は、毎日毎日、こんな何気ない会話をしていた。
ところで、くるみちゃんとは、
瀬名くるみと言って
男子学生が彼女したい女の子NO.1
1番可愛いモデルNO.1
お姉ちゃんにしたい人NO.1
と有名なモデルの先輩達を差し置いて、堂々と1位を勝ち取っている超有名なモデルさん
それから、身長は170cmで、
誕生日は、5月28日で私と同じ
そして、私と同い年の弟がいる
弟も、モデルをしていて、瀬名海里と言うらしいが、私はくるみちゃんにしか興味がないから、豆知識として名前は覚えている。けど弟もすごいなぁって尊敬はしている。
それから、くるみちゃんは私の3つ上の高校2年生
と、くるみちゃんの紹介はこれくらいにしといて、次は私の家族の紹介。
私のお母さんは、会社に務めていて、相当色んな人からの信頼が強いらしい。
弟はゲームが好きすぎるゲーム病
お父さんも、会社のサラリーマン
そして私"夢咲あおい"は、くるみちゃんのファン第1号!!
くるみちゃんとは、さっき説明した通り、
私がとても憧れているモデルさん。
私は、何気なく見た雑誌にくるみちゃんが
写っていた。最初見た時は、ただ、可愛いなぁって思ってただけだったけどページをめくるうちに、色んな表情をしていて、どんどん笑顔にされていく自分を見てモデルって色んな人を笑顔にできてすごいなぁって思い、くるみちゃんのファンになっちゃったんだ。
それから、ファンクラブが出来たらすぐに入会して、会員番号1番をゲットしたちゃったってわけ。けど、くるみちゃんが私のお姉ちゃんだったら良かったのになぁって、時々考えることがあるんだ。
だって、弟はずっとゲームで、お父さんとお母さんは一日中会社。
そんな時に、くるみちゃんがお姉ちゃんだったらなぁ…って考えちゃう。
けど、そんなことは絶対にありえないけど…
そして、今日発売された、くるみちゃんが表紙に乗ってる雑誌を読みながら学校に向い、自分の席に着いたあともずっと雑誌を見ていた。
すると、
「あおい〜。おはよっ」
この子は、私の唯一の友達である千紗だ。
私は見ての通り、あまり友達がいない。
「うん。おはよ」
「あおい、2学期そうそうまた、くるみちゃんの雑誌見てるの?よく、そんなに見てて飽きないよね」
「絶対に飽きることなんてないよ!いくらだって見てられるよっ」
本当に千紗は、何もわかってないんだから。
「てか、聞いた?今日転校生来るんだって!
瀬名海里がいいなぁ」
千紗は、瀬名海里のファン。私たちは、瀬名繋がりで、仲良くなったのだ。
「転校生かぁ〜。私がもし高校生だったら、くるみちゃんの高校に転校してたのになぁ」
と、そんなことを話しているうちにチャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた
「みんなー、席につけー」
「えーー、転校生を紹介するが、みんな絶対に騒ぐんじゃないぞ!特に女子だ!騒いだら、即廊下に出でもらう。わかったな。じゃ、入ってこい」
先生にそんなこと言われても、私はくるみちゃんにしか興味がないからなぁーっと思いながら雑誌に目を向けて、耳だけ傾けた
「はじめまして。瀬名海里です。よろしくお願いします」
ん?瀬名?どっかで聞いた事あるような……