Tear Flowers〜奪われた未来〜

「どうして、こんな事件を？」

白昼堂々バスジャックなど、ふざけて行えるものではない。それにエドワードは情緒は安定していないものの、まるで誰かに教えられたかのようにあっさりとバスジャックを起こした。フィオナはエドワードを見つめる。

「……俺の恋人、マイケル・ストックはここのバス会社が運転するバスに轢かれて死んだ！！なのに、このバス会社はろくに謝罪もせずに金で解決しようとしてきたんだ。俺の愛しい人を奪ったくせに！同性愛が気持ち悪いから謝らないんだろ！？」

エドワードの口調が荒くなり、怒りで体が震えている。エドワードは心からの謝罪を求めているのだ。

「お前らも、どうせ俺のことなんて気持ち悪いって思ってるんだろ！？」

怒りで顔を赤く染め、苛立ちを全身に表したエドワードは拳銃を乗客の方に向ける。悲鳴が上がり、フィオナが止めようと立ち上がろうとする中、シオンが口を開く。

「あなたの気持ち、痛いほどわかりますよ」