白衣と弁当

「はい、お弁当」

私からお弁当を受け取ると、真之介さんの唇がちゅっとふれる。
目を開けると相変わらずリンゴのように真っ赤かな真之介さんが見えた。

「なにかあったらすぐ連絡して。
もういつ生まれてもおかしくないんだから」

「はい。
いってらっしゃい」

笑顔で真之介さんを見送ると、おなかの中からそろそろですよとノックされた。



【終】