っていうか急いで目を逸らしちゃったから逆に変に思われちゃったかも…。


なんて考えるけど、彼にはそんなこと目も止まらないことなんだろうなぁ。



私の名前も顔も彼はまだきっと知らないはずだから。



「陽菜〜?どうしたの?そんな暗い顔して
体調悪くなっちゃった??」



心配そうに愛美ちゃんは私の顔をのぞき込むけど、大丈夫だよと微笑んだ。



私は清家 陽菜(せいけ ひな)
高校2年生。吹奏楽部所属でフルート担当
人見知りであまり自分から人に話しかけたりするのが苦手で友だちは少ない。