キミの素顔は俺だけのもの〜初恋は陽だまりの桜から〜




「清家さん、こんな奴に優しくしなくていいんだよ?」



「は?こんな奴ってなんだよ」



「こんな奴じゃん。授業中どうせグーグー寝てたんだろ」




なんて2人が笑い合いながら言い合いしている。



ちょっと話しかけられたことが嬉しかったけど、コミュ力が低すぎる私は会話に参加することはできない。



もうちょっと上手に話せる子ならきっとこのまま西野くんとも仲良くなれるのに…。


巡ってきている大チャンスを逃しているような。



なんて考えていると、2人はいつの間にか別の話題に切り替わっていて、

休み時間が終わる頃には

「それ、はやく清家さんにかえせよ」なんて西野くんが注意をしながら自分の席へ戻って行った。