「ねぇ!!!」

学校の帰り道。
自転車で坂道を駆け下りる。
きれいに風をひるがえし流れていく、
長く黒い髪の毛と水滴。
降りた先で誰かの声。
いや、誰かの声かなんて分かる。
嫌でもわかるんだ。
自転車を止め、坂の上を振り返り見上げた。
夏の夕日に照らされ、大好きな人が笑っていた。

OK

精一杯伸ばした先の手には、そうつくられていた

「、、ばかっ」

悪態をつきながら、私もニッコリと笑ってみせた。