アルバムを閉じた勇磨はため息をついた。

怒った?

怒ったよね?

オロオロする私をまっすぐに見つめた。

「でもいーや。
ナナがツバサを好きじゃなかったら、
俺はナナを、
すぐには見つけられなかったかもしれない。
ツバサに夢中で俺を芋扱いして、
泣いたり笑ったり怒ったりするナナに、
俺は惹かれたんだ。」

勇磨!
ヤバイ!

「好き!勇磨。」

もうそれしか言葉がない。

勇磨が私の頬に触れ、
そのままキスをして抱きしめてくれた。

「俺も好き」

勇磨をぎゅっと抱きしめた。

本当に大好きだ。

耳元で勇磨が囁く。

「ナナ、俺、ヤバイかも。
これ以上、ここにいたら危険。」

慌てて私も離れる。

照れ隠しなのか、自分の髪を
くしゃくしゃにする勇磨。

「しかし、ツバサ、よく我慢できたな。
というか、本当に何もないよね?」

何、それ、冗談?
本気?

「ツバサくんは、そんな不純な動機で
ここには来てないからね。
勇磨とは違います」

途端にすっごく悪い顔をする。

「悪かったな、不純で。
もう、なんもしねー。」

え、何も?
何もって、何も?

私の動揺と不満が顔に出たのか、
勇磨は爆笑する。

「かーわい」

笑いながら勇磨が私の手を取り

「じゃあ観覧車行くか。
ナナがして欲しいって言うから、
チュー付きで。」

うー、もう。

また負けだ。

でも、観覧車!

また夕陽を2人で見れるんだ!

私にとっては大事な場所。

勇磨にとってもそうだといいな。

私を見る勇磨の瞳で、
同じ想いだと確信した。

早々に帰る勇磨に寂しがるママを置いて、
コスモタウンに向かう。

「またナナんちに行ってもいい?俺、
ナナのお母さんに気に入られちゃったし。」

調子に乗ってるな!

「言っただろ、
女の子はみんな俺が好きなの。
ナナだけだよ、俺を振り回すのは。
だから好きなんだ」

うー。

もう、勇磨め!

「でも安心した。
ナナ、ここのところ様子が変だったから。
不安定というか、
ナーバスな感じだったからさ。
俺がぎゅっとしてパワーあげる」

勇磨、気がついてたんだ。

私がプレッシャーで不安定だったの。

だからデートしてくれたんだな。

部活が休みっていうのも、
私の為のウソかもしれない。

観覧車の中で勇磨がぎゅっと抱きしめてくれた。

今日も夕陽がキレイでなんか涙が出た。

1番安心する。

勇磨に抱きしめられると安心する。

プレッシャーも不安も全て吹っ飛んだ!

パワーをたくさんもらってシークレットステージに挑もう。

ありがとう、勇磨!