その日の練習で、
ソロパートから始まるラストの曲を踊った。

踊り終わるとみんなが拍手しながら喜んでくれた。

アヤノが泣きながら抱きついてきた。

「アヤノ、ありがとう。
ダンスに誘ってくれて。
私を信じて待ってくれて。」

泣きじゃくるアヤノは子どもの頃から、
ずっと私の味方だったな。

年齢よりも体が小さかった私は、
お兄さんチームでは最初はからかわれ、
次は妬まれ馴染めなかった。

でも正義感強いアヤノが盾になって、
私を守ってくれて、
タツキがみんなを説得して、仲間になれた。

「さて、ちびのソロが完成したところで、
衣装も完成しましたー」

そう言ってタツキはダンボールの中から、
それぞれ記名された衣装を取り出して配った。

「他校チームが、協力してくれたんだ。
当日はアイツらも見に来るからな!
最高にカッコよく決めようぜ!」

あと1週間。

急に緊張してきた。

震える手で衣装を開ける。

1曲目は黒と金のミニ丈のドレス。

メモには、黒いチュチュと網タイツ着用って書いてある。

ホルダーネックで、
首の後ろに大きなリボンがある。

肩、出すのかぁと、
ちょっと恥ずかしくなるけど、

でもステキな衣装だ。

男子も黒と金が基調のハードスタイル。

「なんで、私はチュルリラじゃないんだよ」

見るとミッキーの衣装は、
パンツスタイルで男子寄り。

「いやぁ、これだけでも限界かと思って。」

そう言って、
タツキがぶりぶりの衣装を取り出した。

「じゃーん!アイドル衣装!」

うわっ!マジか。

アイドル衣装はかなりヤバかった。
これ、誰が考えたんだ?

私はピンク。アヤノは黄色。

ミッキーは水色の超ミニ丈のドレス。

フリフリのフリルたっぷりのスカートに、
同色系の花がいっぱい上半身に付いてる。

レースいっぱいのペチパンツ使用とメモ付き。

白いレースのニーハイを、
ガーターベルトで留めるスタイル。

これは、超絶、恥ずかしい。

だけど、ミッキーが着るの見たい!

変態が考えたな、とつぶやくミッキー。

男子チームは、
ダンスに合わせたストリート系の衣装。

NYの不良って感じ。

最後の私のソロから始まる衣装は、
真っ白のワンピース。

上はシンプルなサテンのワンショルダー。

スカートは複数枚重ねたシフォン地のアシンメトリー。

白いバレーシューズでとメモがある。

素敵。

この衣装、好きかも。

試着して写メ撮って、ひと通り騒いだ。

明日は衣装を着て、
リハーサルをする事に決めた。

他校メンバーも呼んで見てもらおう。

衣装をぎゅっと抱きしめ達成感。

良かった、本当に。