案の定、秀司はすぐに僕のところに来ると、残念そうに言った。

「いい所が何も見えなかったぞ、アングル考えろよな。たかしはそうゆうとこぬけてんのね。」

あほ。テメーこのやろ。

「はぁ、わりぃ。おまえの存在忘れてた。」

「チッったくよー、自分だけいい思いしやがって、よっ、色男!にくいねー!」

「何だその掛け声、おまえおやじくさい。」

「あははは、で、どうだった?りえちゃんは。」

「俺に気がなきゃ、あんなことやこわなこと、しないだろ〜。ははは。」

「うわ、おまえずりーっ。」


僕と秀司はそのまま、じゃれあいながら自宅に帰った。


その間、俺は心から笑っていなかった。