放課後。

たかしは早く終わらせて、家へ帰ろうと思っていた。
一方秀司は楽しそうにウキウキしていて、家庭科準備室まで笑顔のままだった。

「ねぇ、たかし緊張してきたーっ、はぁ、深呼吸、ふぅー。」

「聞いたら、すぐ帰るぞ。」            

「うんうん、りえちゃんドキドキすんだろなぁ。」


たかしは家庭科準備室の前で、立ち止まりノックをした。
中から返事がして、部屋に入ると、新任はハッとして、たかしを真っすぐ見た。
「あら、宮田君どうかした?」

新任は優しい笑顔を向けてくれた。

たかしはいきなり例の質問は変だろと思い。

「いや、俺さ、全然授業受けてないからさ、今度のテストどこ出るのかなーと思って。」

「フフ、ここ座って。」

新任は自分の席から立ちあがり、窓際にある低いテーブルとソファに教科書を置いた。
たかしもソファに座り、新任と向かい合った。

たかしは窓側に座ったが、ここでは廊下側の扉から覗いている秀司からは、職員用の机の死角となり、何も見えない。      

隣の部屋の家庭科室とをつなぐドアからでないと、何も分からない状態だ。

たかしは段々、変に緊張してきてしまった。

「ねぇ、何か飲む?コーヒーかお茶しかないんだけど。」

「じゃ、お茶で。」

たかしはもうどう判断すればいいか分からない。


「おまたせ。」

顔を上げると、先程まで地味な白いシャツを着ていた新任は、キレイなピンク色の下着姿で自分の目の前にいた。