キミに言いたいこと

そして目から溢れる涙を拭っていく。



優しく、優しく。





「……しん、ちゃん」



「なに?」



「さっき…帰るって…」




もう居ないと思った。




「……帰れるわけないじゃん」


「え…?」



聞こえた言葉に、目を丸くしていると彼は立ち上がった。



さっきのことが頭をよぎり、私は咄嗟に彼のズボンを掴んだ。



が、上から小さなため息が聞こえ、すぐに手を離す。




「ごめん…なさい……」




「それは、何に対する謝罪なの?」



少し低くなった声。




「…………」



答えられずに居ると、彼が私の手を引いた。




「こっち、来て。ちゃんと話そう」




無理やり引っ張ったりせず、私が立ち上がり自分から行くのを待ってくれる。



彼はそういう人だ。