誰も、信じられない。
みんなが自分だけ知ったような顔をして。私にだけは何も教えてくれない。
例え、それが優しさだったとしても私は‥‥‥。
いつか委員長とお昼を食べていたその階段に放課後、一人でぽつりと座っていた。
さび、しい‥‥‥。
皆が私を置いていっているようで‥‥‥。
「すみれちゃん‥‥‥?」
「っ!いいん、ちょう‥‥‥。」
そこにいたのは委員長だった。
「もう、『大和くん』じゃないんだね。」
「‥‥‥ごめん。」
「いいよ。謝らないで。それよりも大変だったね。今日は。僕が駆けつけるの遅かったみたいだし。」
「ああ、いなかったもんね。委員長。」
そういえば委員長はあの場では見れなかった。
「すみれちゃん。可哀想に。友達にも裏切られ、小田巻にも裏切られ、そして、もうひとりの友達にも裏切られ‥‥‥。でも、もし君が望むなら、」
「やめて!!」
やめてよ‥‥‥。
優しく、しないで‥‥‥。
優しくしないで。
その優しさに溺れたくなるから‥‥‥。
その思いやりによりかかりたくなるから‥‥‥。
「すみれちゃ、」
私に委員長が触れようと手を伸ばした。
その手が何故か怖くてたまらなかった。
「やめ、」
でもその手が私に届くことはなかった。
「ねえ。やめたら?」
信じられない。
「小田巻くん!?」
「小田巻‥‥‥。」
委員長の手が彼の手で止められていたから。


