放課後。


いつしか通ったことのあるような懐かしい公園の噴水の縁で私達は話していた。




「すみれちゃん。‥‥‥なんで別れようって思ったの?」


「‥‥‥委員長は悪くないの。ただ茜とのアレを見て冷めたの。」


「‥‥‥言い訳になるかもしれないけど、あのとき僕たちは何もしていなかったんだ。」


「そっか。」





別にもう実際どうだったかなんてどうでもよくなった。



最初は胸が苦しくて仕方がなかった。

辛かった。




でも、冷静になってみると、もう何も委員長に対して何も思えなくなった。


冷めるってこんな感じなんだね。






「‥‥‥すみれちゃん。今からでも遅くないよ。やり直さない?」


「ごめん。」


「すみれちゃん!!」





悲壮な声が私を苦しめた。



委員長はいい人なのに。

助けてくれたのに。



なんで私はこんな気持ちなの‥‥‥。





「ねえ、すみれちゃん。もしかして小田巻のこと、好きなの?」


「えっ?」


「だから俺のことふったの!?」


「違うよ‥‥‥。小田巻くんのことはキライ。嫌がらせをしてくるし。」


「じゃあ、なんでこの間話していたの!?」




『この間』‥‥‥?

茜とのアレを見た日?






「委員長がいるって、言われて。」






嬉しくて、ついていっただけ。






「小田巻のこと信じたのか?キライなのに?」






信じた、か‥‥‥。





なんで彼のことを

無条件に信じたかなんてわかんない。



犯人だとか犯人じゃないとか。


幸せになれとか言いながらイヤなことするし。


意味わかんない人。





キライ、なのに。


なのに。なのに。




__『幸せ』に。


‥‥‥ああ。わかった。




彼の表情の意味が。なんとなく。