〜side 澄〜




「『澄くん』。やってくれましたね。ついに『約束』を破るなんて。」


「‥‥‥お前がさきに破っただろ?」




目を覚ました俺は秋月と知らない部屋にいた。


足には鎖があり、その先には重りがあった。




「はぁ。こんなことはしたくなかったのですが、仕方がありませんね。」


「こんなこと、か‥‥‥、ここに監禁するつもりか?」


「はい。愛の前ではどんな法律にだって止めらません。」


「‥‥‥止められるだろ。」


「そんなことはどうだっていいのです。」


「どうだって、か。お前なら、俺を殺すぐらいしそうなのにな。」


「まあ、失礼な方。殺人なんて野蛮なこと、しません。」


「そうか‥‥‥。」


「で?どうですか?愛する人に嫌われ、恋人の座を奪われた、その気分は?」


「別にそれは気にしてない。」




もともと俺は償いたかったんだ(・・・・・・・・)。彼女に。


嫌われたって、彼女に恋人ができたって普通に嬉しい。


うれ、しい‥‥‥。


彼女が幸せなら、それで‥‥‥。





ウソつき(・・・・)。」

「はっ?」




秋月の言葉にそんな単純な言葉しか出なかった。




「ウソですよね?ホントは違うのに自分にウソを付いている。」


「‥‥‥!?」





な、何を言っているんだ‥‥‥?