それからは私は大和くんとしか話さなくなった。
茜とは一切話さなくなった。
和は何回か『話そう』と言うが、私は拒否した。
だって、大和くんがいるから。
噂はたったままだけど大和くんがいれば守ってくれる。
大和くんさえいれば‥‥‥。
大和くんが守ってくれる。
彼さえいれば‥‥‥。
「ねえ、すーちゃん。」
あ、ここは家か‥‥‥。
家だと彼から離れて寂しい。
「どうしたの?お母さん。」
「最近ぼんやりとしてるけど大丈夫?」
「ぼんやり?してる?」
「うん。」
大和くんという彼氏ができて浮かれてるのかも。
「‥‥‥小田巻くんと一緒にいる?」
「えっ?何で?」
「え?二人がお似合いだったから。」
「小田巻くんのこと、私、キライなの。それに小田巻くんは他の人と付き合っているし。」
「‥‥‥!?それ、ホント!?」
「何でそんなに驚くの?」
「いや‥‥‥。なんでもないわ。」
変なの。
小田巻くんなんてキライ。
私には大和くんだけいればいいの。
あれ、メンヘラかな?これって。
まあ、いいや。
こういうと大和くん嬉しそうだし。
大和くんが嬉しいなら、それでいい‥‥‥。
私の世界には大和くんだけいれば‥‥‥。


