____翌日。


「ねえ‥‥‥、秋月さん。嫌がらせにあっているんでしょ?」

「ああ。それの犯人って‥‥‥、平野さんっていう噂でしょ‥‥‥?」

「おとなしい子かと思ってたけど、実はヤバい子だったんだね。平野さんって。」



教室に入った瞬間、私の方に視線が集まる。



‥‥‥怖い。


私はしてないのに、人の悪意だけで『私が茜をイジメた』という事実がみんなの中で出来上がっている。

それがたまらなく怖い‥‥‥。



一緒に登校してきた和が私の袖口を引っ張った。


顔には出していないけど‥‥‥、『大丈夫?』って言ってるんだろうな‥‥‥。


その優しさに救われた。


和に笑って、『大丈夫』だと笑った。



大丈夫、大丈夫、大丈夫‥‥‥。

大丈夫だから、私にはすることがある。



「小田巻くん。話があるの。ちょっと、いいかな?」



私が小田巻くんに話しかけたことで、ざわついていた教室がさらに盛り上がった。


『私が茜をイジメた』‥‥‥。

その理由は、茜が小田巻くんと付き合ったことに嫉妬したことも原因とも言われているからだ。


そんな中、私が何を小田巻くんに話したからだろうな‥‥‥。



「‥‥‥分かった。すみれちゃん。」



お昼休みの中庭で。

そう、小田巻くんと約束した。