「彼、か‥‥‥。」
やっぱり小田巻くん、だよね‥‥‥?
逃れられない、なら小田巻くんしかいない、はず‥‥‥。
「ハハッ‥‥‥。」
「すみれ‥‥‥。」
手の震えが止まらない。
また、あの夢のようなことが高校でも起こるかもしれないと、そう思うと‥‥‥。
「止めるって、言ったのに‥‥‥。」
約束したよね?小田巻くん‥‥‥。
でも、ああ、そっか。
盗撮はしないって言っただけだもんね?
ストーカーとか、気持ち悪かった。
盗撮もイヤだった。
恐怖の鬼ごっこのときも怖かった。
友達とか正直無理だと思っていたのに、
遊園地でみんなと遊んだのは、とっても、楽しかった。
楽しかったのに!!
クラスメイトとしてなら仲良くできるかも、なんて甘い妄想も持っていたのに!!
裏切られた‥‥‥。
所詮、君はストーカーなんだ。
普通に仲良くしようともしない‥‥‥。
歩みよれたと思ったのに‥‥‥。
こんな、こんなひどいことして!!
しかも茜を使った!!
彼女使ってまで、私のことストーカーしたい!?
そんなに私のこと大好き!?
こんなの、『好き』じゃないよ‥‥‥。
どろどろに濁った違うもの‥‥‥。
こんな悲しいもの、じゃ‥‥‥。
「ねえ、和‥‥‥。『好き』ってなんだろうね?私には‥‥‥、分からない。」
「‥‥‥私も、分かんない。」
ねえ、小田巻くん‥‥‥。
『好き』って何かさえ知らない私だけど、一つ分かるよ?
__私、今、あなたのことキライ。