「あ、茜‥‥‥。」
「すみれさん。」
私の呼びかけを無視して、名前を呼ぶ茜。
その顔は今までに見たことがないものだった。
「もし、私が自分で自分をイジメていたら‥‥‥、どうしますか。」
「それは‥‥‥。」
「そして、すみれさんを犯人にしたかった私をどうしますか?」
「っ!?」
ホントに、茜はそんなことを考えて‥‥‥!
「ねえ、茜。ふざけてんの?なんですみれにそんなことするの!?」
黙ってしまった私の代わりに、和が叫んだ。
「さあ。和さんには分かる日は来ないと想いますが。」
和には分かる日が来ないってことは、私には分かる日が来るってこと?
‥‥‥何を考えているの?茜。
「すみれさん、一つだけ言わせてください。」
「何?茜。」
「『彼』からは逃れられないと思ってください、ね?」
「それはどういう、」
「それでは時間になってしまいましたので、失礼します。
ああ、お二人とも。無駄なあがきはしないほうが得策ですよ?」
本当にどういうこと?
彼って‥‥‥?
聞きたいことはあるはずなのに、口が動いてくれなかった‥‥‥。