__次の日の放課後の教室。




「ねえ。すみれ。話があるの。」


そう、和が言った。


「話って?」

「何で?」

「何で‥‥‥?」

「何ですみれは茜と仲悪くなっちゃったの?」

「それは‥‥‥。」


言えない。

茜が私のこと、『嫌い』って言っていたなんて。


「あの後‥‥‥、遊園地の帰り!あのとき絶対になんかあったよね!?その次の学校の日からおかしい!!」

「和‥‥‥、落ち着いて。」


「落ち着いてなんかいられないでしょ!?二人の様子がおかしいし、すみれは昼休みどっか行くし!しかも茜は小田巻と付き合っている!?いくらなんでもおかしい!!」


「‥‥‥。」

「しかも、そのせいで茜は嫌がらせされているし。」

「えっ?」

「今日なんて、ノートにいたずらされてた。」


そんなの初めて聞いた‥‥‥。


これって状況的に私がやったみたい‥‥‥。


だって、突然のケンカで、その時期に始まる嫌がらせ‥‥‥。


こんなの茜がイジメられたって言ったら、一番最初に名前があがるのって私じゃん‥‥‥。




「すみれが茜をイジメている‥‥‥。」

「してない!!」


私はしてないよ!!


知らなかったし!

茜が、そんなことになっているなんて。


でも、こんなこと誰が信じるって言うの‥‥‥?


こんなの私がしたって思われても仕方がないじゃん‥‥‥。



「分かってるって!」


「えっ?分かって‥‥‥、くれるの?」

「当たり前じゃない。今のは、クラスで噂されてること。」

「信じて、くれないかと‥‥‥。」

「信じるわよ。小心者で平和一番のすみれがこんなことできないでしょ。実際に見るまで信じない。」


きっぱりと言う茜に、思わず抱きついてしまった。


「ありがとう!和!!」




いつも無表情に見られる顔も、今日は優しく笑っていた。