「その用事ってさ、平野さんいる?」


小田巻くんの言葉に驚いてしまう。




え、さすがにひどくない?

私、いらない子みたいじゃん!

小田巻くん、性格悪いでしょ!



と、思ったら思い違いだったみたい。




「ちょっと平野さん借りたくて。」



ということだった。




「え、でも、僕、平野さんと‥‥‥。」


と、委員長も困り顔。




う〜ん。

私を取り合うなんて稀有なことが起こった‥‥‥。



「急ぎなの?小田巻くん。」


と尋ねると、


「うん。わりと。」


だそうです。


う〜ん。


「委員長は?」


「僕の方も。」



マジか‥‥‥。



「ちなみに二人とも何の用事?」


「俺は平野さんに話しておきたいことがあって‥‥‥。」



と小田巻くんが話し、



「えっと、先生にちょっと呼ばれたんだ。」



委員長も続いて言う。


これは‥‥‥、委員長のほうが先だね。


「ごめんね、小田巻くん。委員長の方先に行くね。」


「あ、待って。本当に。今すぐ話さなくちゃいけないんだ‥‥‥。」

「はぁ。」



小田巻くんがしつこく止める。


困ったな‥‥‥。

そんな急な話ってなんなんだろう?


ここじゃだめなのかな?

でも、なんか小田巻くん移動したそうだし。



「あ、じゃあ、委員長。先生に怒られたら俺が連れて行って
平野さんいなかったっていっておいてよ。じゃあね。」


「えっ!?」


私、委員長の方行くつもりだったのに!?




何故!?

私の手を奪って引くの!?

なんで私連行されているの!?



何の話する気!?