__数時間後。
「えーっと、次が時間的に最後だよね。」
「そうですね。みなさん、希望のものはありますか?」
「私、メリーゴーランド。すみれと一緒に馬に乗りたい。」
「俺は、お化け屋敷!」
「和さんはメリーゴーランド、小田巻くんはお化け屋敷。私は‥‥‥、観覧車に乗りたいです。すみれさんは?」
「うん。私も観覧車がいいと思うな。」
意外と小田巻くんは私達の中に溶け込んでいた。
周りの人はちょっと不思議そうな顔をしているけどね。
でも、人数的には四人で回るのはちょうどよかったな‥‥‥。
最初は私もイヤだったけど、
いろんなところを回っていくうちにそんな悪い人じゃない気がして‥‥‥。
もちろん今も怖いとは思うけど、
なんかストーカーっぽくない?というか、私への執念がない気がする。
悪い人じゃないのかも?というのが私の今の小田巻くんへの評価だ。
和もまあ、なんか小田巻くんのことをライバル視しているけど、
ちょっと楽しげだから大丈夫だと思う。
それよりも気になるのは茜のこと。
茜は、表面上は楽しげなの、だけど‥‥‥。
やっぱり小田巻くんに関しては怖い顔をしている。
聞いたほうがいいのかな‥‥‥?
でもあんまり突っ込みすぎるのもよくないかなって、黙って見守っているけど‥‥‥。
気のせい、っていう可能性もあるし‥‥‥。
「すみれ?どうかした?」
「あ、うん。大丈夫だよ。和。」
「そう、それならいい。それよりも!すみれ!!」
「えっと‥‥‥、なに?」
スゴイ顔になってるけど。和‥‥‥。
「俺と一緒に乗りたいよね?すみれちゃん?」
「そんなのより私と乗りたいわよね?すみれ。」
あー、なるほど‥‥‥。
遊園地に回ってるときに度々おこるケンカがこれだった。
和と小田巻くん、
どっちが私の隣になるか、という問題。
結局、交代だったけど、これが最終だからか二人とも熱くなってる‥‥‥。
それに見かねたのか茜が誘う。
「おいていって二人で乗りましょう。」
「あ、うん。そうだね。」
私もちょっと面倒なので関わりたくないです‥‥‥。


