「俺、どうしてもすみれちゃんのことが好きなの!‥‥‥駄目?」

「いや、駄目って言うよりかはイヤ。重いの無理なんだよ‥‥‥。」



重い人はホント無理すぎる!!


じゃなかったら、小田巻くん、付き合うには最適なんだけどな‥‥‥。



「え〜?そんなに重いかな?俺。」

「他の誰よりも重い。」

「失礼だな?そんなことないよ?」

「じゃあさ、私が付き合ったら次にすることは?」

「かんきn、じゃなくて婚約。」

「ほら、重いよ!!っていうか待って!?今、監禁って言おうとした!?何!?私のこと監禁したいの!?」

「えっ?そんなに監禁って言葉使うなんて、監禁されたいの?」

「違うし!!」



どういう理論!?



「とにかく、もう告白してこないで!私はいくら告白されていても気持ちを受け取ることはないの!!」

「ふ〜ん。じゃ、分かった。すみれちゃんがいくら嫌がっても、うなずくしかない状況をつくってからまた告白するね。」

「えっ、なにその状況怖っ!どういう状況にする気!?」



考えただけでも怖いのですが!?



「とりあえず、放送で告白してから、」

「分かった。ごめん。話聞くから実行しないで!」



ガチのやつじゃん‥‥‥。


しかも小田巻くんなら、やりかねないのが更に怖い。



「ホント!?俺の話聞いてくれるの!?」

「うん。聞く。聞くから実行しないで。」



私が慌てている様子を見て、笑顔で一言。



「うん。すみれちゃんが言うこと聞いてくれたら、ね?」



小田巻くんに『脅迫』という技を与えてしまった、と、後悔しています。

でも、後悔しても遅いことは目の前の人の笑顔でよく分かった。



「じゃあ、今聞くから話してみてよ。」

「うん!すみれちゃん好きです。」

「ごめんなさい。無理です。」

「好きです。」

「やめてただけると嬉しいです。」

「めちゃくちゃ好きです。」

「ごめんなさい。」

「君の全部が好き。」

「小田巻くんの重いの無理。」

「どしたら付き合ってくれる?」

「重いところを直したら。」

「はい!直した!!閉じ込めたいくらい好き!!」

「はい、直してない。で、話ってこれだけ?帰っていい?」

「あ、うん‥‥‥。これだけ‥‥‥。」



意外と速く終わったな‥‥‥。

なんにせよ、速く帰りたい‥‥‥。

家が目の前にあるのに帰れない状況って異常すぎない?



「あのさ、すみれちゃん。」

「何?」

「明日の学校、楽しみにしていてね!すっごいサプライズするつもりだから!」


その言葉、その笑顔に。

私は思わず言った。

「それって、放送で告白する気まんまんだよね?」

と。













〜side 澄〜







「あ〜、すみれちゃん。今日も可愛かったな‥‥‥。」


俺はひとりごとをつぶやいた。


帰り道にある公園のベンチに腰を掛けてスマホを取り出す。

位置情報特定できるアプリを起動させ、その画面をのぞくと思わず顔をしかめた。



「GPSがちゃんと起動していてよかったけど、これはちょっといただけないかな。」



そう俺は呟くと再びすみれちゃんの家に向かった。


「すみれちゃん‥‥‥。愛してるんだよ?君のこと。」


俺は別に、君が振り返ってくれなくてもいいんだよ?


だって君は生きているだけで価値があるから。

俺とは違って。ね?


だから、問題は‥‥‥。