言い過ぎた、かも‥‥‥。

でも、私はもういろいろと限界。

告白、周りの目、小田巻くん自身のこと。


ホントに無理。



「‥‥‥ごめん。俺、やりすぎたかも。」

「!?」

「そんなに驚かないでよ。すみれちゃん。俺だって反省するときはするんだよ?」




驚いた。


絶対に小田巻くんは引かずに、そのまま押していくかと思っていたのに。




「じゃあさ、友達からっていうのはどう?」

「ともだ、ち?」



なるほど‥‥‥。


小田巻くんのことは怖いけど、お互いに気にかかるところがなくなるのなら‥‥‥!



「うん。分かった。よろしく。友達として。」

「うん。よろしくね。すみれちゃん。」

「私はこのまま小田巻くんって呼ぶから。そのすみれちゃんってやめてもらえる?」



正直、小田巻くんの下の名前で呼ぶと、女子からの視線が痛そうだし。



「え〜?告白は譲歩したのに?」

「うん。」

「俺に譲ってくれたってよくない?」

「いや。」

「意外に頑固だな〜。じゃあ、分かった。

ホントは澄くんって言ってほしかったけど、小田巻くんですみれちゃんは許してあげる。

でも俺がすみれちゃんって呼ぶのは、絶対にやめないからね?」

「‥‥‥分かった。」



そのぐらいなら、周りの目はちょっと痛いぐらいで終わるかな?



「あとね、すみれちゃん。」

「何?小田巻くん。」

「俺のことを見てね?周りの目だけを気にするんじゃなくて、俺自身を。」

「ストーカーのことを?」

「はは‥‥‥。友達になった瞬間言葉がきつくなったね。」

「そのまま嫌いになってもいいんだよ?」



そのほうが日常に戻れるし。



「まさか。どんなすみれちゃんでも魅力的だよ?」

「っ!?」



この人、顔面だけはカッコいいから‥‥‥!

つい照れてしまうんだけど!

どんなに恥ずかしいセリフだったとしても、サラッと言ってしまってなんかスゴイ。



「じゃあね?すみれちゃん。」



こうして台風は過ぎ去った‥‥‥。



と思っていた私が馬鹿だった。














〜side 澄〜



「あ〜、すみれちゃん可愛いな。やっぱり。」


先程の毛を逆立てた猫のような様子に笑ってしまう‥‥‥。



「閉じ込めておきたい‥‥‥。」



可愛すぎる。

でも、そんなことをしたら今でも嫌われているのにもっと嫌われそう‥‥‥。


あー、でも友達になってくれるんだっけ。

めちゃくちゃ嫌そうな顔だったけど。

その顔を思い出して、また笑ってしまう。


「俺を嫌って?すみれちゃん。」



それで、いいんだよね‥‥‥。