階段の裏側という目立たないところまで小田巻くんを引っ張っていった。



「で?昼休みに何の用事だったの?小田巻くん。」

「好きだよ。すみれちゃん。」


また?



「‥‥‥。無理。小田巻くんとは付き合えない。」



怖いし怖いし怖いし。

周りの目も、小田巻くん本人だって怖い!!



「だから諦めて。」

「イヤ。俺は執念深いから。」

「でも、無理。」

「今はだめでもこのまま押せばいけると思うんだ。すみれちゃん。」

「何で?」



何でこんなに諦めてくれないの?

こんだけ脈無しなら諦めてよ!



「だってすみれちゃんのこと、好きだから。」

「でも、ホント怖いしさ、諦めて!!ストーカーだよ?やってること!」

「好きなんだから、しょうがないじゃん。」

「好きだから、なんでも許されるわけじゃないんだよ?分かってるの?」



好きだから許されるなんてことは、私の中ではない。

ホントに、諦めてよ‥‥‥。



「要件はこれだけ?もう私に近づかないで‥‥‥。」

「すみれちゃん、俺は、」

「名前も呼ばなで!!」



このままじゃ、小田巻くんのせいで変な目で見られちゃう!

平凡で突き通してきたのに、このままじゃまたあのとき(・・・・)みたいに‥‥‥!



「私のこと、放っておいて!!」