〜side 澄〜
「いや〜、すみれちゃんのお母さんとは思えないな‥‥‥。本当にしっかりしたお母さんだよな。」
俺は帰り道、ひとりでに笑った。
一人、部屋に帰ろうとするすみれちゃんに
すみれちゃんのお母さんが送っていくように言ったけど辞退した。
今日は鬼ごっこをして一緒に帰ったから満足!!ってワケじゃないけど、
俺が家に帰ったあとが危ないし、あまり俺の家を知ってほしくない。
「ほんと、すみれちゃんとは大違いのお母さんだよな。」
『あの話、すみれに教えなくて大丈夫?』
そう、彼女の母親は最後に尋ねた。
大丈夫。大丈夫だよ。
君は知らなくても。
代わりに俺が___。
ポケットの中に入れておいた盗聴器を握りしめながら、そう誓った。


