「ねぇ、ホントなんで家にいるの!?小田巻くんが!」


「え〜?いいじゃない?すーちゃんの彼氏なんだから。」


「は!?お、お母さん!?どういうこと?」


ワケ分かんない!!

なんで私の彼氏=小田巻くんっていう認識になったの?

私、小田巻くんのことお母さんに言ったことなかったよね!?


「ひどいな‥‥‥。すみれちゃん‥‥‥。俺、こんなにもすみれちゃんのこと好きなのに。あの写真ぐらい。」

「ひぃっ!!」


好意が怖いと思ったのは今日で初めてだった。


「ま、俺はすみれちゃんを怖がらせちゃったみたいだし、帰ろうと思います。」

「あら〜。もう少しお話したかったのに‥‥‥。」


私は流石に言えなかった。『早く帰れ!!』と。


「それではお邪魔しました。」


と、帰ろうとする澄くんを


「ああ。澄くん。」


お母さんが引き止めた。



「はい?」

「___?」

「‥‥‥はい。大丈夫です。」



何事かをこそこそ話すお母さんたちの姿に『もういいや』と思って自分の部屋へ帰った。



後で知っていれば、と後悔するなんて、思わなかったから。