『先生、こんばんは』


『こんばんは』


私はまた…


五十嵐先生の部屋に入った。


これで5度目。


だんだん慣れてきてもいいはずなのに、毎回緊張が増す。


こんなにも先生を近くに感じて、だけど別に恋人同士ってわけじゃない。


ましてや男女の関係なんて程遠い。


先生には…


本当に彼女いないのかな?


いないとか言って、もしかしてめちゃくちゃ美人な彼女とかがいるのかもしれない。


先生、嘘ついてるの?


だけど、先生とは楽しい話をしたり勉強したりするだけで、それ以上聞ける雰囲気にはならない。


そういうムードにならないのが、ちょっともどかしい。


やっぱり私なんて…


恋愛対象じゃないんだろうな。


私1人がドキドキして。


先生…だったらどうして私を呼ぶの?


お手伝いさん代わりだとは思ってるけど…


だんだん、ほんの少しだけ期待してる自分がいて…すごく恥ずかしくなるよ。