陽愛は…


こういうシチュエーションに憧れてる?


あんま、そんな話は…


してこなかったから。


『すごく良かった~キュンキュンした~』


『あれでキュンキュンするとか欲求不満か?』


『佑都にはわからないよ~この乙女心』


そんな目をキラキラさせて言われても…


わかりたくないし。


『あのさ、ちょっと…向こうの方いかない?』


『え?あ、うん、いいよ』


向こうの方…かなり広い海が見える公園。


大型商業施設の隣に最近出来たデートスポット。


こんなとこ初めて足を踏み入れるけど…


『うわ~綺麗。なんか海がキラキラ光ってるね』


夕方前のまだ太陽がある時間。


遠くの水平線までずっと見渡せる。


周りの人もまばらで、近くには誰もいない。


俺は、ここを選んだ。


『陽愛』


『ん?』


海を見てた陽愛が振り向く。