何だか子どもみたいな可愛い答えに、自然に笑みがこぼれた。


『じゃあ、どうして食べないんですか?』


『…』


ん?


急に静かになった。


『先生?大丈夫ですか?』


不安になって聞くと、


『大丈夫じゃない。陽愛、何か作ってくれないか?』


って、驚きの答えが返ってきた。


な、な、何か作ってって…


どういう意味?


頭が上手く回転しなくて、黙ってしまった。


『陽愛?』


今度は先生が私に声をかけた。


『あ、はい。す、すみません。あの…今、何か作ってって言いましたか?』


『ああ。言ったよ。陽愛はいつもお姉さんのために食事を作ってるって聞いた。だから、俺も…君の料理を食べてみたい』


先生のその言葉に私、胸がかぁーって熱くなって。


体全部に血が流れてくのを感じた。


『…あの、私の料理なんて全然美味しくないですよ』


わざと笑いながら言った。


『今、お姉さんは?』


『…今日は残業です。遅くなるって』


『だったらこっちに来て。ドアは開いてる』