先生が帰ったその後、紗也はしばらく興奮収まらない様子だったけど…


私も…


正直、まだドキドキしてる。


『陽愛。次、お風呂入って~』


『は~い』


何気ない毎日のやりとりなのに、何かが違う。


これからは、学校だけじゃなくて、家にいてもドキドキしなきゃいけないの?


温かいお湯に浸かってリラックスしたいのに…


考えるのは五十嵐先生のことばかり。


先生、今何してるんだろ?


ご飯ちゃんと食べたのかな…


彼女か奥さんがいたら作ってもらってる?


でも、そんな人がいたら2人揃って挨拶にくると思うし…


本当に…よくわからない。


もしかして、先生も今お風呂に入ってる?


って、私、変なこと想像してる!?


もう…


ダメだ、こんな調子じゃ、この先メンタルもたないよ。


今夜は…早めに布団に入って眠ることにしよう。


考え過ぎは良くない。


それでもたぶん、壁の向こうに先生がいると思うだけで、次から次へと勝手にいろいろ妄想してしまうんだろうけど…


この揺れる乙女心…いつになったら落ち着くんだろう。