五十嵐先生を嫌いな人なんている?


ううん、いないよ、絶対。


きっと全員に好かれてるだろうと思う。


男性として、本気で先生を好きな人もたくさんいるけど…


私はやっぱり…


憧れ…かな…


私みたいな地味目な女子が、キラキラオーラをまとった先生のこと…


本気で好きだなんて言ったら申し訳ない気がするから。


「憧れ」


その表現がなんだか都合よくて…そこまで罪悪感を感じなくて済んでるんだ。


『はい。正解だ。よく勉強してたな』


先生に優しくそう言われて、彼女は嬉しそうに席についた。


『次は…超難問。えと、じゃあ、佑都。やってみて』


『あ、はい』


席を立って黒板までゆっくり歩く佑都。


私はこの問題、全然わからないな。


かなり難しい。


先生が佑都に白いチョークを渡す。


この2人の姿…


ちょっとすごい。