「はぁ、今日は誰殺すんだっけ?」


チバの、とあるビルからスコープを覗く。
夜の繁華街には人が大勢いて、狙うのは大変だ。

殺した途端に人が簡単に集まる。

だからこそ、人に紛れて逃げられるのだ。


「高い銃...使い捨てで置いてくんでしょ?」


「あぁ、持って街中を走れば確実に見つかる。来た時同様路地裏を使って持って帰ってもいいが、俺らの目的は殺害とこの銃の密輸人の摘発だ」


みぃつけたぁぁ...なんて、ねっとりした気持ちの悪い声を出す。

これをユリとやらが聞けば、目を細めて三歩ほど後退してしまうだろう。


「撃っていい?」


「あぁ、動く前に殺せ」


そう言うと、一発命中。
ヘッドショットだ。


「帰るぞ」


「待っててね、僕の優里...!!」


......殺したあとも女を考えるなんて、俺の同僚はかなり頭がおかしい。