「でも、優里といるときは楽しいだけじゃなくて...幸せだし、もちろん楽しいし。なにより、自分が満たされる」


彼が私の頬に触れる。


「...ふふ」


「わ、笑わないでよ...」


「別に怒ってないのに」


そう言うと、え?なんて気の抜けた声を出す。
さらに笑みが漏れたのが、自分でもわかった。


「すごい怖い顔してたから...嫌いになったんだと思って」


「...嫌いだったら口も聞かず寝るだろうし、律さんが寝ている間に鍵を取って次の日にこの家を出るでしょう」


彼は急に顔を真っ青にする。
だめだよ!?なんて、私の肩を掴んだ。


「絶対、絶対に、絶対絶対、だめだから!!」


彼がそう念を押す。
面白くて、仕方がなかった。