「...そりゃ楽しいですよね。」


そんなネガティブ発言をする。
そうしてしまえば、彼は必ず否定してくれるから。


「僕はただ、今日あったことを、共有したかっただけで...」


「......」


「たしかに楽しいけど、それは楽しいだけで...」


あわあわと返答を考える彼を見て、心の中で笑う。

彼は私の事監禁して、自分の好きに動かせるようにしていたが、現在は逆だろう。

“私の元に帰らねばならない”というものが今の彼を縛り付けている。

つまり、私がこの部屋に監禁されているのではなくて、彼がこの部屋に誘導されているのだ。


彼は簡単に私の望む言葉を言ってくれるし、私のところに必ず帰ってくる。

それは、帰ってこなければ私が死ぬからだ。

彼はきっと、自分自身の手で殺すことには何も思わないが、餓死することには悲しむだろう。


“トドメは僕が刺す”そう考えているのだろう。