「君は大人しくここにいればいい。...もう君は、僕しかいないんだから」


「律さんは...律さんは、私にここにいてほしいですか?」


「もちろん、そうに決まってる。じゃなきゃ...戸籍も消してまでして、君をここに閉じ込めないよ」


だからここにいて、そう縋るように言った。
口元がにやりと笑うのが、自分でもわかる。


「足枷は外せとは言いません。ただ...ただ、この手枷さえ外してくれれば、私はあなたから離れないと誓います」


彼は、苦しそうな顔をする。

私の腕を解放するか、それとも、縛り続けるか。
彼だって、こんなことしたくないだろう。


「...もし私がここから逃げるような真似をしたら、遠慮なく私を殺してしまって構いません」