両親は常に海外に行っていて、私は1人、部屋に籠ってばかりだった。


外に出る需要も感じられない。

普通教育を受けさせる義務はあくまで親にあるので、私はただ責任逃れをして、最低なことをするだけだ。

家の中でする事は、何も無い。

小学生のうちまでは、隣の家の...なんとかさんが、家まで来て毎日ご飯を作ってくれた。

しかし彼らが引っ越した今は、誰も来ない。


最後まで心配そうにしていたのだけは覚えている。


...でも顔も、性格も、名前も、あの料理の味も覚えていない。


毎日寝腐るだけ。
適当に食料を貪って、家から出るのは、週一程度。


学校なんて行かない。教科書は、寝付けない時にだけ。


これが私の平凡。
私には、特殊な能力もなければ、容姿もない。

ただ金があって、ただ社会的権力がある家なだけ。


でもそれは私じゃなくて、両親。


私には何も無い。