【短編】悪魔―diable―




「どうしたのだ」


酔っ払った王様も、さすがにただならぬ気配に気付いた。



そして玉座から降りると、横たわった兵士の下へ駆け寄った。



「お、王様……、悪魔の……悪魔の薬が……」


「なんじゃ!悪魔の薬がどうしたのじゃ!」



「お、お逃げくださぃ……」



そういった兵士の目からは、光が失われていた。