悪魔は言った。



「この薬をいらないか?これをこの国で一番高い山の頂で、風に乗せて撒けば、水は枯れ、大地はひび割れ、緑は消えうせ、生命は滅ぶだろう」




町で一番貧しい老婆は言った。




「私にゃ、そんなの必要ない」





悪魔は「そうか」と言うと、天高く舞い上がり消えていった。