──きしむベッドの音。

彼の骨張った手が私の頬を優しく撫でる。

カーテンの隙間から差し込む月の光が彼の長いまつ毛の影をつくる。

しっとりと汗ばんだ大きな背中に私は両腕をからませ、彼の甘いキスと深い吐息を全身で受け止める。

感じたことのない痛みと高揚感。

彼の指先が触れた部分からしびれるような快感が襲ってくる。

自分の身体でなくなったみたいに、彼の動作一つ一つが私の全てを支配する。

──この時間がずっと続けばいいのに。

たとえこの夜が一生のうちの最後になったとしても。

たとえ彼がこの関係を望んでいなくても…。