隣の住人。





「ひなは何してる人?」

『学生』

「何の?」

『美容』

「意外」

『意外って失礼!』

「彼氏は?」

『別れた』



と、

馬鹿正直に答えた私は本当に馬鹿だと思う。





「別れたの?あいつとは別れた方がいい」

『何で?』

「ひなのこと、好きじゃないだろ」

『何でわかんの?』

「男の勘」




それに、このお方とこんなまともに話したのは初めてかもしれない。



イライラせず、

普通の感情で話せた事に自分でも驚いた。




このお方の友達は、友達達と盛り上がっていたけど…友達同士の会話にこのお方が入ることはなかった。




私がいるから気を使ってるのかな。

やっぱり、いない方がいいのかも…




別にこの集まりに参加したいわけではないし、むしろ今でも帰りたいと思っている。




『帰りたい』

「俺も帰ろうかな」

『違うところに住んでるの?』



と、

このお方の冗談にやられた様子。




さっき、見かけによらず…冗談通じない奴かと思っていたけど、たった今立場が逆転してしまった。