桜色の歌と君。

「花咲さん?」

はっと顔を上げると、宮野くんの瞳と焦点が合う。

「具合悪いの?」

心配そうに私の顔を覗き込む彼は、今にも泣き出しそうだった。

「違うの、ごめん。」

そう返した私の声も、涙交じりのものだった。

「休む?」
優しい声に、慌てて首を振る。

「緊張、しただけ。」

そう言うと、宮野くんはほっとしたような表情を見せて、すぐに優しく温かな笑みを浮かべた。

「緊張するよね。一旦座ろうか。」

柔らかな声に頷き、宮野くんに促されて横に座った。

「ギター見せて。」

「いいよ。」

宮野くんの言葉に、ケースからギターを取り出して膝の上に乗せる。

「すげー、かっこいいね。」

目をキラキラとさせてギターを眺めるその姿に、何だか気恥ずかしいような、うれしいような気持ちになる。

「いいな、僕も弾けるようになりたい。」

「宮野くんならすぐ弾けるようになるよ。」

「いやいや、僕楽器と相性悪いから。」

冗談っぽく笑う宮野くんに、「何それ」と私もくすっと笑う。