桜色の歌と君。

それから雨の日はずっと続いた。

放課後、いつものように図書室へ向かうと、カウンター席で昴さんが女子生徒と親し気に話していた。昴さんの横で、千草ちゃんが少し不安げな面持ちで二人の会話を見守っていた。

ふと宮野くんの方へ顔を向けた。

その横顔を見て、心臓が凍り付いたように固まった。

宮野くんの瞳から、輝きが失せている。

彼はその虚ろな目に、恐らく昴さんと女子生徒を映していた。

「あやの。」

聞き取るのがやっとくらいの小さな声を、宮野くんは口の中で発した。

そして他に何も言わず、踵を返して図書室を出て行った。


雨の音が、大きくなった。


心臓が、なぜかひどく痛んだ。