桜色の歌と君。

早まっていた呼吸がペースを取り戻すと、涙も徐々に引いていく。

新緑の匂いを纏った風が頬をかすめた。

全て素直に話すと、宮野くんは目じりを細めた。

「話してくれてありがとう。」

そう言うと、彼は少しの間口を閉じた。

宮野くんといると、沈黙の瞬間でさえ優しさを肌に、心に感じるから不思議だ。

一緒に話す時間も好きだけれど、何も話さずただ横にいる時間も、同じくらいに心地よくて好きだった。

「花咲さんと同じようなこと、考えたことあるよ。」

意外な言葉に、私は息をのんだ。

柔らかく微笑む宮野くんの瞳に、少し影が差したように見えた。

「これを言ったら嫌われるんじゃないか。これをしたら仲間外れにされるんじゃないか。そう思って臆病になってしまうこともあったけど、ある時気づいたんだ。そう思うことは、相手をそんな些細な言動で簡単に人を嫌ったり、仲間外れにしたりするような人だと決めつけてしまっているのと同じだって。」

糸が、するりとほどかれるような気持ちになった。

本当に、その通りだ。