桜色の歌と君。

数日後、放課後に図書委員の集まりがあることを、三年の委員長から告げられた。新入生が入ったため、図書委員の仕事についての説明や、役割分担の班決めがあるらしい。

昼休み、いつものように屋上でお弁当を食べながら宮野くんにその話をした。

サンドウィッチを口いっぱいに頬張りながら、宮野くんは私の話を聞いて頷いた。

「まだ詳しくはわからないんだけど、仕事が多いから班ごとに役割が分かれてるみたい。その班の中でも、曜日で担当が割り振られてるんだって。」

「昴はカウンター班で、火曜と木曜の放課後に仕事があるって言ってた。花咲さんは何かやりたい仕事あるの?」

「うーん。まだわからないかな。本棚の整理とか、実際に本にたくさん触れられる仕事がいいなとは思うけど。」

「そっか。何かちょうど火、木を担当するカウンター班の一人が四年に上がったから昴一人になっちゃって、仕事が大変ってこぼしてたよ。」

宮野くんの言葉に、心臓が跳ねる。私の脳裏には千草ちゃんの姿が浮かんでいた。

「千草ちゃんが、カウンター班やりたがってた!」

「おお、そしたら昴も助かるよ。希望通りに行くといいね。」

優しく包み込むように言った宮野くんに、私は心を躍らせながら頷いた。

放課後大好きな人と図書室で一緒に過ごせるなんて、きっとすごく楽しくて幸せだろうな。