桜色の歌と君。

教室へ帰ると、宮野くんは窓際で男の子たちと楽しそうに笑い合っていた。

入学してまだ日は浅いが、彼はすでにクラスの中心だった。その陽だまりのような明るさと、周りの空気を柔らかく和ませるようなおっとりとした口調と、それでいて揺るぎない芯のある言動は、誇り高く自信に満ちていて、一瞬にしてみんなの心を掴んだ。

透けるような白い肌に、アーモンド形の目と筋の通った鼻、そして温かみを帯びた栗色の髪はどれも日本人離れしていて、目を奪われるような容姿であることも一つの理由だろう。

女の子たちが遠めに彼を眺めるときの瞳には、羨望と恍惚の色が滲んでいるように見える。