愛してしまったので離婚してください

「こちらで着替えをしてください。下着も脱いで専用の服を着てくださいね。靴も専用のスリッパに履き替えてください。」
「・・・はい」
こんなに緊張することはないのではないかと思うほど私は緊張していた。

検査室の扉はかなり重厚感があり、着替えをする部屋の中にも検査中の注意事項のポスターがたくさん書かれている。
はじめての経験というだけではなく、雅にも大丈夫だと言ってくれたけれど、本当に赤ちゃんが大丈夫なのかが分からないという状況が余計に緊張させた。

身支度を終えて、着替える部屋から出ると扉の前に雅が白衣と術衣姿で立っていた。
「俺も着替えてみた。医師として、立ち会う。」
これは雅の気合の表れなのかもしれないと思いながら、私は頷いた。

「足元、気を付けて。」
雅に案内されていざ大きな見たこともないMRIの機械のある部屋に入る。