愛してしまったので離婚してください

お腹が大きくなる前に検査をしたいと、雅は前もってMRI検査を予約してくれていた。

「大丈夫か?」
「・・・うん・・・」
私は今まで健康優良児で、大きな病気はしたことがない。
むしろ私が風邪をひきそうになると、大きな手術や診察をする父にうつらないようにと母はひき始めの段階で父に薬を処方してもらいひどくならないように気をつけられていた。

診察室をでて、病院の中で検査をする部屋へ移動する。

「大丈夫。絶対に俺が守るから。」
雅は私と一緒に看護師に検査室に案内してもらいながら、前を見て言う。
その表情はいつの日かの自信がなさそうな表情とは違う。

医師として、自信に満ちている表情で、私はそれまでの不安が嘘ように、心穏やかにいられる気がした。