愛してしまったので離婚してください

「ニューヨークの担当医から話を聞いて、晶が俺から離れる選択をしてること、知ったんだ。紹介状を書いたって。」
あの夜、本当に雅はすべてわかっていたんだ。

「でもすぐに一緒に俺は日本に来ることができなくて、この指輪を贈った。離れている間も、晶とお腹の子を守ってくれるようにって願掛けといたんだ。」

守ってくれたよ。
ちゃんと守って、励ましてくれてたよ。

雅の想いが一気に体に流れ込む。

「これからは俺もいる。もう離れない。」
力強い言葉と共に、雅は私の手を握ったまま車を走らせた。

運転する雅をみるのは初めてだ。まして、雅の運転する助手席に座るのだってはじめてだ。
いろいろと思考回路がフリーズする事態になっているのに、まぶしくかっこよく見える雅。

相当私は雅が好きだ。それだけは確かなことだ。