愛してしまったので離婚してください

少しして、落ち着き始めた私に「病院にも実は許可取ってあるんだ。」と雅は告げて、アパートの前に停めてあった車の助手席に私を乗せた。

車の後部座席にはたくさんの荷物たち。

「いつ・・・日本に・・・?」
「2時間前。」
私たちは話さなければならないことがたくさんある。
これからどうするのか、私も雅に話したいことも聞きたいこともたくさんある。

「いろいろ・・・知りたいけど・・・頭が追い付かない。」
まだ止まっていない涙を手で拭いながら運転席に座る雅の方を見た。

「ニューヨークの家は引き払って来た。病院も辞めた。俺も今日から日本に住む。とりあえず今から病院に向かって、戻ったら晶の部屋に転がりこむつもり。」
一呼吸で告げられた言葉の中にもあれこれ聞きたいことと驚きの要素が詰まりすぎだ。